昨日未明に発表されたiPadとiPad mini、そして昨日電撃的に発表されたAmazon Kindleの日本発売。
Appleの情報は事前にダダ漏れだったのに対して、Kindleの日本発売は僕が知る限り全然リークがなくてビックリした。
まあ、Kindleの日本発売は1年近く前から「もうすぐ」「もうすぐ」と言われ続けていたので、本当の意味での「サプライズ」ではないのだが。
iPadを買うかiPad miniを買うか、それともKindleか。Kindleと言っても大別して2種類、電子書籍リーダーKindleと、タブレット端末Kindle Fireがあるので4種類あると考えよう。
僕は今回どれを購入するかはまだ決めていない。ただ、スペックや価格で選ぶつもりはなく、「利用目的」で選びたいと思っている。
僕が持っているiPadは初代のものだ。iPad 2も春に出た三代目も購入しなかった。
何故か。理由は簡単で、毎日使い続ける利用シーンが僕には見出せなかったからだ。
僕はiMacとMacBook Air 11 inch、それにiPhone 5を日々使っている。この3つのデバイスに関しては、かなりのヘビーユーザーを自覚している。
ところが、初代iPadは利用シーンが見つからなかった。購入当初は色々試していたのだが、徐々に出番が減り、今ではずっとタイマーアプリ “Due” が起動したままになっていて、時間管理に使うのと、クックパッドを見ながら料理を作る時に使うのみだ。
まずは僕がiPadの利用シーンを見つけられなかった理由を幾つか考えてみた。もちろん世の中にはiPadを使いこなしている方がたくさんいるのは承知のうえ。あくまでも僕のケース。
iPadを使いこなせなかった僕の個人的事情
・自宅にPCを使わない人(子供など)、ライトユーザーがいない
一時期iPadをリビングの食卓に置いたこともあった。
食事の時などに奥さんと一緒に画面を見たりするかと思ったのだ。
でも結果としてiPadをリビングで使うことはほとんどなかった。
僕の奥さんも2台のMacとiPhoneを所有する、比較的ヘビーなユーザーだ。
作曲の仕事をする関係で、僕が全然知らない音楽系のアプリもたくさん持っているし、音楽用のキーボードとMacが繋がっているので、奥さんのデスクは「要塞」みたいになっている。
僕も奥さんも写真を見るならMac、ちゃちゃっとやり取りするならiPhoneとなってしまい、iPadの出番がなかったのだ。
家庭において、奥さんがPCを使わない人だったり、お子さんがいたりすると、もっとたくさんの出番があるように思う。
「iPadの利用シーンは買ってから考えよう」と思い買ったのだが、いまいち出番がなかった、というのが実感だ。
・iOSでは親指シフトが使えない
これもとてもマイナーな理由で恐縮なのだが、僕にとっては大きなこと。
僕は親指シフトユーザーだ。Macのキーボードは常時親指シフトになっていて、日本語は親指シフトでしか打たない。
iPadにはソフトウェアキーボードがあるし、Bluetoothのキーボードも実際購入して試してみた。
Bluetoothのキーボードを使えば結構快適にタイプできるのだが、あくまでもローマ字入力になる。
iPadと外付けキーボードを持って出かけて長文を打つなら、親指シフトが使えるMacBook Airを選ぶ。
リビングでも使わない、外出先でも使わない。そんな可哀想な状況になってしまった。
・自炊して本を読まない、紙の本が好き
僕はScanSnap S1500MとPlusの裁断機を持っている。
自宅で自炊ができる環境なのだが、自炊するのは主に自分が掲載された雑誌の記事などで、書籍はほとんど自炊していない。
ScanSnapは大活躍で、毎日必ず使っているのだが、「自炊」に限ると出番は少ない。
その理由は、やはり紙の本が好きだからで、読了した本であっても、バラバラに裁断してしまうのは忍びない。
一時期は読み終わった雑誌は全部スキャンして文字認識PDFにしていたのだが、日本語文字認識は、1. 縦書きの認識率がとても低い、2. 白抜き文字(背景に色がついていて文字が白く抜かれているもの)がまったく認識できない、など、かなりクリティカルな問題があり、自炊をやめてしまった。
・電子書籍市場の問題
自炊しないとなると、本を読むなら電子書籍で、ということになる。
僕が日常的に読んでいる本の90%以上が実用書、特にビジネス書が多い。
そして残念ながら、今まで日本の電子書籍市場というのは、ほとんど機能してこなかったというのが実情だろう。
僕自身電子書籍も出版しているし、最初の紙の本「ノマドワーカーという生き方」も電子書籍化された。
でも、プラットフォームが統一されていなかったり、発売から大幅に時期が遅れて電子化されたり、価格が紙の本と同じくらいか、割引率が低かったりと、買いにくい状態が続いていて、あまり買う気になれなかった。
というわけで、電子書籍リーダーとしても、iPadは出番がなかったのだ。残念ながら。
というような状況のなか、iPadとiPad mini、そしてKindleが発表された。
さてどうしたものか。
買うならKindle Paperwhite 3Gだが、ストアの充実度次第
というわけで、iPadの出番がなかなかなくて残念な状況な僕なわけだが、今回もし買うとすれば、Kindle Paperwhite 3Gかな、思っている。
タブレットが使いこなせていないのに、Apple以外のタブレットを買い足しても無意味なのでKindle Fireは最初に候補から外れる。
そしてiPadとiPad miniは、欲しいけれど、ちょっと我慢。利用シーンがイメージできないのだ。
すると消去法でKindle Paperwhite 3Gということになる。3G回線が無料で使えるのは魅力だ。
iPhone 5になってからモバイルルーターの出番が減っていて、ルーターなしで使えることのメリットが増している。
Kindle Paperwhite 3Gなら、僕なりに使いこなせる自信がある。
ただ、Kindleを使いこなせる日々というのは、あくまでもKindleストアが一定以上充実することが前提条件だ。
電子書籍リーダーなのに、目当ての本がストアで買えないなら意味がない。
そんなことを考えていたら、さきほどAmazonのKindleストアが予告通りオープンした。
さっそく見にいってみたところ、先日出たばかりの近藤麻里恵さんの「人生がときめく片づけの魔法2」が、紙の本が1,470円のところ1,000円で販売されている。
32%の割引で、これは結構悪くない数字だ。
これぐらい安くなってきて、紙と同時発売というようなことになってくると、Kindleの存在価値は一気に高まってくる。
実務的に読むべき本は電子で、好きな作家さんの本など愛蔵したい本は紙で、という棲み分けもできるようになるかもしれない。
見逃してはいけないのはバックライトの存在
日本発売がまだなので、Kindleの実機を触ったことがある方はまだ少ないと思う。
僕は2回ほど実機を触る機会があったのだが、電子書籍リーダーとして捉えた場合は、僕はiPadよりもKindleがいいと思う。
その一番の違いはバックライトの有無だ。
iPadは液晶画面全体が背後から光っている。バックライトだ。パソコンもiPhoneもiPadも、画面が後ろから光っている。
一方のKindleは、バックライト方式ではないのだ。普通の明るさの下では、まるで紙を見ているように、画面には光がなく、文字がしっとりと浮かび上がっているのだ。
普通の部屋の灯の下で見ると、実際の紙に印刷された文字のように見える。これが実に目に優しいのだ。
残念ながら実機を触ったときに暗い場所には行かなかったので、暗い時の光り方の実体験がないのだが、日常的に日中外や部屋の中で使うには、あの画面の質感はとても優秀だった。
iPadやパソコンの画面を長時間見ていると、目が辛くなってくる。
もちろん本も一日読んでいれば疲れるのは一緒なのだが、僕のように本をたくさん読む人間としては、バックライトがなくて目に優しいKindleは、一番の注目株だ。
いまこの文章を書いていて、ますます「まずはKindle Paperwhite 3Gかな」という気持ちが強くなってきた。
ガジェット好きとしては全部欲しいのだが
Apple製品好きのガジェッターとしては、もちろんiPadもiPad miniも購入して試してみたい。
でも、使いこなせないガジェットをただ並べておくというのは、どうも気に入らない。
なので、今回は比較的冷静に対応しようと思っている。
iPadとiPad miniについては、価格も高目なので、購入した友達に実機を触らせてもらってから判断したい。
そしてKindle Paperwhite 3Gは多分予約する。とりあえず「Kindle体験」をきちんとして、レビューしてみたいと思うので。
そんな感じでつらつらと考えている。
うーん、iOSで親指シフトが使えたら、すぐにでも外出先でiPad使うんだけどなあ。残念なり。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。